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毎年恒例、京阪線の「正月ダイヤ」のあらましが発表されました。
公式発表はこちらのPDFデータをご覧ください。
(尚、以下の記事には例年の様子から推測した部分があり、
 今後発表されるダイヤと内容が異なる可能性があることをご了承ください)

さりげなく言いましたが、関東の方にとってはさぞかし疑問に思われること間違いないでしょう。
普通、正月時は土休日ダイヤを採用するのが一般的ですし、
京阪電車でも大津線(京津線・石山坂本線)では土休日ダイヤです。

京阪線は、沿線に多くの社寺を擁しています。
特に八幡市の石清水八幡宮(最寄:男山山上)、寝屋川市の成田山不動尊(最寄:香里園)は、
京阪電車の車内に設置されているお札を作られてる社寺です。
正月ともなれば人の流動が大幅に変わるのは必至。とても土休日ダイヤでは捌ききれません。

P1040312.JPG
▲普段は15分間隔の男山ケーブル。これでは八幡宮への参拝客を捌けません。@八幡市

P1040330.JPG
▲社寺へのアクセスで重要な神宮丸太町・清水五条・伏見稲荷・八幡市に停車するのは、
 普段の場合10分間隔の 普 通 又は 準 急 のみ。正月でこれは無謀ですね。@八幡市

そこで、京阪線では例年以下のようなダイヤを年末年始に組んでいます。

~12/29 : 【終日】その日の曜日のダイヤ(本年は平日ダイヤ
12/30 : 【終日】土休日ダイヤ
12/31 : 【19時まで】土休日ダイヤ 【19時から】大晦日ダイヤ
1/1 : 【10時まで】大晦日ダイヤ 【11時から】正月ダイヤ
1/2~1/3 : 【終日】正月ダイヤ
1/4~ : 【終日】その日の曜日のダイヤ(本年は平日ダイヤ

これはなかなか他の大手私鉄では見られない、京阪ならではの特徴と言えそうですね。

大晦日ダイヤは終夜運転を含む訳ですが、
関東では「各駅停車のみ運行」という事例が多いのに対して京阪は 急 行 も運転します。

~京阪電車大晦日ダイヤ~
急 行   淀屋橋 ~ 出町柳 … 3本/時
普 通   中之島 ~ 出町柳 … 3本/時

これが最頻発時の京阪本線の本数になります(京阪線支線区も終夜運転があります)。

 急 行 が出町柳まで通しで運転されるのはかなり珍しいのですが(普段は樟葉まで)、
当然これは正月輸送に特化してのこと。 特 急 にはない長所があるのです。
それは、神宮丸太町・清水五条・伏見稲荷・八幡市等、正月輸送で重要な駅に停まること。
これが正月ダイヤにも活きていくことになります(公式発表より推測)。
~京阪電車正月ダイヤ~
特 急   淀屋橋 ~ 出町柳 … 6本/時
急 行   淀屋橋 ~ 出町柳 … 6本/時
普 通   中之島 ~ 出町柳 … 6本/時

これは普段の日中ダイヤと比べると、若干の増便という形になります。

P1050258.JPG
▲現在の日中ダイヤの特徴の1つである 急 行  樟 葉 。@香里園


~京阪電車日中ダイヤ~
特 急   淀屋橋 ~ 出町柳 … 6本/時
急 行   淀屋橋 ~ 樟 葉 … 4本/時
準 急   中之島 ~ 出町柳 … 2本/時
普 通   淀屋橋 ~ 出町柳 … 2本/時
普 通   中之島 ~ 出町柳 … 2本/時
普 通   中之島 ~ 萱 島 … 2本/時
本数では18本/時と同じですが、 急 行  樟 葉 普 通  萱 島 の行先変更で実質増便。
が、実はこれ、2つの点においてかなり異例な状態と言えるのです。


~ 中之島線は完全な支線区?鴨東線は昇格? ~

前回の正月ダイヤは、このようになっていました。

~京阪電車正月ダイヤ2011~
特 急   淀屋橋 ~ 出町柳 … 6本/時
急 行   淀屋橋 ~ 出町柳 … 4本/時
急 行   中之島 ~ 出町柳 … 2本/時
普 通   淀屋橋 ~ 三 条 … 2本/時
普 通   中之島 ~ 三 条 … 4本/時

まず気づくのが、今回の正月ダイヤで 急 行 =淀屋橋、 普 通 =中之島と、
種別と行先の関係を完全に固定化して綺麗な10分パターンダイヤを作ったこと。
乗客サイドからすれば有り難い話ですが、実に中之島線の堕落ぶりが表れています。
優等列車が日中に1本もやって来ないダイヤができるほど、
中之島線の利用客は少ないのだという言い方をすることができます。

P1040347.JPG
▲2011年5月のダイヤ改定で、中之島線直通の優等列車は快速急行から 準 急 へ。
 更に車両も8連セミクロスシートの新車から、7連ロングシートの旧型車両中心へ。
 こうしたところからも、如実に中之島線の堕落ぶりが伺えますね。@淀

次に気になるのが、 普 通 の発着駅変更です。
前回は三条発着だったのですが、今回は公式発表を見る限り、
鴨東線(三条~出町柳間)でも 普 通 を運転するかのような文面でした。

ただ、京阪電車は旅客案内において「京阪本線」と「鴨東線」を殆ど区別していないので、
非常に定義があやふやであり、個人的にはやはり三条発着ではないかと思います。


~正月ダイヤがまさかの"増量"ダイヤに ~

これまで、京阪電車の正月ダイヤは"減量"ダイヤだという認識が基本でした。
というのも、2008年ダイヤでは日中24本/時(土休日は22本/時)運転されていたからです。

P1040162.JPG
▲2011年5月の減便を痛感する1枚。それまでは2番線が日中使われていました。@淀屋橋


~京阪電車日中ダイヤ2008~
特 急   淀屋橋 ~ 出町柳 … 4本/時
特 急   淀屋橋 ~ 枚方市 … 2本/時
快速急行  中之島 ~ 出町柳 … 2本/時
準 急   淀屋橋 ~ 出町柳 … 4本/時
区間急行  中之島 ~ 樟 葉 … 2本/時
区間急行  中之島 ~ 萱 島 … 4本/時(土休日は2本/時)
普 通   淀屋橋 ~ 出町柳 … 2本/時
普 通   淀屋橋 ~ 萱 島 … 4本/時

2011年の減量ダイヤは「正月ダイヤかよ!」とも言われたくらいの豪快な減量でしたが、
京阪電車の沿線人口減少やマイカーへのシフトを考えると仕方ないのかも知れませんね。
それに対して、正月の利用人口は安定する(京都の道路渋滞は酷い+外部の利用)ことから、
今後ますます正月ダイヤが"増量"感を出していくのではないかと思います。

因みに、2008年ダイヤのときは、3000系が快速急行充当でしたから、
正月ダイヤに伴って3000系が 特 急 に充当されるのは極めて稀で注目を集めていました。
現在では相当当たり前の姿ですが…。

P1040296.JPG
▲ある程度想像できた事態とはいえ、3000系 特 急 を初めて見たときは衝撃でした。@樟葉

そういう訳で、今回は少々特殊な京阪の正月ダイヤを取り上げてみました。
あまりきちんとした考察とは言えませんが…まぁ激的な変化はありませんからね。

最後に、今回取り上げなかった京阪線の路線の大晦日・正月ダイヤを示します。

・交野線・宇治線 … 【大晦日】3本/時 【正月】6本/時
・男山ケーブル … 【大晦日】【正月】12本/時

交野線・宇治線の日中ダイヤは6本/時なので、こちらは変化ありませんね。
男山ケーブルは通常比3倍という爆発的な運行頻度ですが、
石清水八幡宮への参拝者がそれほど多いということなのではないかと思います。

さて、記事のネタが多くて困ったぞ…どれから消化すればいいのやら…。

・首都圏の忘年会臨時列車
・13000系考察③
・ターフィー号批判②

どれになるのかはお楽しみです(笑)。ではでは。
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13000系…だと?の記事掲載後、ブログ来訪者が急増したKeihan7203Fです。
やはりタイムリーな話題だからでしょうか?皆様のご訪問、感謝致しております。

今回は、前回の記事を書いた後で確認した各所の反応・評価をまとめつつ、
前回と同様に新型車両・京阪13000系の色々な考察をしていきたいと思います。


~ 京阪ファンの評価:廃車はどの編成? ~

京阪ファンの皆様の反応は、鉄道ブログ村の京阪線
鉄道コムの京阪電気鉄道に関するブログより訪問・拝見しております。
前者はヒット記事数が少ないものの京阪に精通している方が執筆されており、
後者は些か内容の乏しい記事もある中でヒット記事数が多いのが特徴です。

まず、やはり多かったのが「3000系+10000系=13000系?」といった反応。
「3000系ベースに、画像を加工して13000系を再現!」といった記事では、
車体上部や貫通扉部の黒塗装が正しく処理されていない画像がありました。
それだけ、前面デザインに3000系の面影は色濃く残っていると言えそうです。

そして、「2600系が宇治線から消滅するのは寂しい」といった反応もありました。
ただ、前回の記事で僕の出した推測「新塗装を含めて廃車」には異論も。

P1010724.JPG
▲2600系で唯一新塗装となっている2623-2823F。@宇治

最急行のブログ
の記事「新型車両13000系発表」によれば、

動向の気になるのが2623-2823Fです。
同編成は、今年に入って転落防止ホロの取り付けが行われていることや、
5編成の中では唯一、新塗装化及び防護無線設置が行われているからです。
他の4編成と同時に廃車となる可能性は低いのでは・・・というのが個人的な考えです。

ここで浮かんだのが、本線の2605-2813F(7連)の大阪方4両の存在です。
この4両は今年の5月30日に出場試運転を実施しておりますが、
施工内容は、同じく今年に出場した4連の2600系と同じ旧塗装のままです。
2623-2823Fを本線に移してこの24両を廃車にすれば数は合うのですが、(後略)

とのことです(文章は一部改変してあります)。

転落防止幌の取り付けというのは、4連の中間連結部ではとっくに終了していて、
ここでは先頭車に幌の設置枠を設け、
一時的に他の編成と連結して中間車となったときでも転落防止効果を発揮できるというもの。
比較的最近取り付けが始まったばかりで、この編成の廃車がその時点で決まっていたら、
取り付け工事などという効率の悪いことをしないという考え方でしょう。

P1010745.JPG
▲先頭車の転落防止幌設置イメージ(この運転台部はいずれも中間車済)。@中書島

新塗装化・防護無線装置の設置については、
これらの工事を行わずに出場(4年周期の重要部点検を終えること)した編成が
廃車されていくという事例があることから(例:2223F)、この説には説得力があります。

P1010719.JPG
▲旧塗装・防護無線非設置の2621-2821F。廃車の可能性が極めて高い。@宇治

ただ、新塗装編成が確実に安泰とは言えないのも事実です。
よい例としては、新塗装化されたにも関わらず廃車された2222Fが挙げられます。

P1010792.JPG
▲約1年前の写真。この頃は新塗装=安泰という認識が誰しにもありました…。@光善寺

この点がどうなるのかが焦点の1つとなるのは、間違いありません。


~某巨大掲示板での評価~

久々に確認致しましたところ、肯定的意見もそこそこある一方で、
「カーテンがない」「座席はE231系等と同一の硬さ?」「座席横仕切はE231系と同規格」
といった、車両の品質低下を批判する意見が見られました。
簡潔に言えば、「内装はJR東日本そっくりになったな」ということです。

ただ、座席横仕切は公式のイメージ図から容易に想像できるのでともかく、
カーテンの有無・座席の規格については「全く分からない」というのが正しいと思います。
勿論、座席横仕切も標準化・コスト削減部品だと言い切ることはできませんが…。

カーテンの有無について。
現状で、京阪電車においてカーテンの存在しない車両はありません。
現在運用中の車両の中で最もコスト削減を図った10000系増備車にもついているのです。

また、窓の規格がJR東日本の通勤電車のそれとは全く異なることにも注目できます。
JR東日本の場合、側面窓は車内側から見ても角に丸みがあり、
枠は側壁と一体化した合成樹脂製のものとなっています。
しかし、報道発表資料のイメージ図に描かれた側面窓は角に丸みがありませんし、
枠は金属製のものと見られることから、JR東日本の車両とは規格が異なると言えるでしょう。

こうしたことから、カーテンの有無については分からないと言えます。

座席の規格については、個人的に気がかりな点がありました。
一般座席(萌黄色の座面・黒色の背もたれ)を見る限り、9000系と同一規格にも思えます。

P1010297.JPG
▲プライバシー保護処理が雑なことをお許しください(笑)。9000系車内の写真。@京橋

1座席毎についている円弧状の萌黄色の区分デザインが省略されていますが、
恐らくは「大体こういうイメージ」ということを示したものと思われます。

ただ、優先座席部はバケットシートを採用していない車両のモケットデザインになっています。
しかし報道発表資料によればバケットシートの採用は事実のようで、
仮にバケットシートが9000系仕様になるのであれば、
報道発表資料の文面とイメージ図の間に矛盾が生じていることになります。

ここで何らかのバケットシートの規格変更が発生するのか、
或いは実車登場時には9000系と同規格のデザインに変更されるのか。
ここも注目すべき点なのではないかと思っています。


~ 総評+私感 ~

ここまで、各所における京阪13000系への反応・意見を集約・考察してきましたが、
昨日の記事で挙げなかった箇所でこの車両への疑問を感じたのでこの場で追記します。

それは、「13000系はブランド車なのか?」という点。
ブランド車・8000系や3000系で採用されている墨色が13000系にも採用されているのは、
やはり「標準スタイル」として落ち着かせるにしては違和感が大きく感じてしまうのです。

P1010847.JPG
▲8000系の車内。補助椅子の部分まで墨色で、なかなかエレガント♪@京橋~枚方市

P1010518.JPG
▲3000系の車内。ガラガラの快速急行で撮った懐かしい1枚。@中之島

何故13000系をブランド車だと考えるのか。それは、京阪の報道発表資料にあります。
これによると、以下のような記述があります。
デザイン面では、主な用途となる通勤車らしい軽快感を演出した外観に加え、
内装には墨色や橙色といった特徴的なカラーを要所に配し、
京阪電車のイメージカラーである緑色を基調としつつも、
観光都市京都のエレガントなテイストも想起させる、モダンな車両に仕上げています。

つまるところ、京都を走る電車というのも広義ではブランドではないのか、と。

仮に13000系を固有でブランド化する意向が京阪にあるならば、
この車両が示す京阪の思惑についても考えなおさなければなりませんね。
ただ、京都を走らない京阪電車は交野線専用車両のみなので、
京都のエレガントなテイスト=即ブランドというのも危うい説ではあります。

今回も長文になってしまいましたが、とにかくウズウズしています!
新車がお目見えするのが楽しみですね。ではでは。
ブログの改造を試みて失敗、レイアウトが改悪されてしまったKeihan7203Fです。
HTMLとかCSSとかちゃんと勉強しないといけないんでしょうね…。
(因みに悪戦苦闘したのが「float」。各種サイトのメソッドを実践してもダメでした…)

さて今回は、ターフィー号批判①の続きをお送りする予定だったのですが、
速報が入って参りましたので急遽内容を変更してお送り致します。

現在の日比谷線03系を置き換える車両の形式は、
東西線→15000系、千代田線→16000系の規則に則って13000系となるでしょうが
銀座線→1000系となりましたが日比谷線にはそれほどの歴史がありませんので…)、
なんとそれより前に日本で初めての13000系が誕生することになりました。

それは、なんと京阪電車13000系。本日付の報道発表資料をご覧ください。


とりあえず、報道発表資料を見ながら色々京阪の思惑を推測してみたいと思います。
(事実と異なる記述を多分に含む場合があります。ご注意ください!)

~ 外観デザインは3000系を踏襲しつつ"一般化"を意識 ~

パッと見、現在の日中に 特 急 を務める3000系と同じにも思える前面デザイン。

P1040221.JPG
▲円弧状になった標識灯・尾灯、側面まで広がるパノラマ窓等は共通しています。@御殿山

ところが、実は結構相違点もあるのがお分かり頂けるかと思います。

・前照灯が3灯ではなく2灯
・非常用扉部の黒塗装の省略 … 完全な円弧のデザインに
・スカートの形状変化 … 若干の小型化
・車体上部(種別・行先表示・前照灯)の上の塗装が変化 … 赤・青・緑ではなく黒に

これら、特に前照灯とスカートに関してはデザインの"一般化"
少々悪い言い方をすれば「グレードダウン」の結果ということができると思います。
非常用扉部の黒塗装に関しては、従来の一般車に若干寄り添う形になったように思います。

P1030683.JPG
▲6000~10000系で見られる黒い円弧のデザイン、車体下部には及びません。@祇園四条

車体上部の塗装変更に関しては、13000系から新たに導入された
コーナーにエッジをもたせた「ウェッジシェイプ」というテーマを具現化したものと考えられます。
これで通勤車ならではの軽快感を表現するとのことですが、あまり似合わない気もします。

個人的に非常に意外だったのが、6000~10000系の非常扉デザインが廃されたこと。
3000系登場時には、「貫通扉を中央に配するのは特急系車両の伝統」と思っていました。
根拠は、一般車の7000系が「左半分貫通扉」というスタイルだったのに対して、
同時期に登場した特急車の8000系が「中央貫通扉」となったことでした。

P1030711.JPG
▲7000系(旧塗装)。前面の左半分が大きな非常扉になっているのが分かります。@三条

P1030701.JPG
▲8000系(新塗装)。中央に非常扉と特急の伝統・鳩マークがありますね。@三条

13000系から、京阪電車は再び「貫通扉は車体中央」という法則に戻ると考えられます。
これは、8000系・3000系を除けば40年前に登場した5000系以来久々になります。
個人的には秀逸だと思っていた京阪一般車の貫通扉デザイン、消えてしまって残念。

側面に関しては、基本的に10000系ベースとなっているように見受けられます。
但し、扉下部に橙色の塗装が施されており、行先表示器もフルカラーLEDだと思われます。


~ 上質な"暗さ"のある内装は京阪スタンダードへ? ~

現在、 特 急 運用に日中就いている8000系と3000系は、
車内の床・扉が墨色で塗装されており非常に上品ないい意味で"暗い"車内を演出しています。
これも「特急系車両のブランド」という位置づけなのかと思っていたのですが、
なんと一般車たる13000系にまで採用されることが明らかになりました。
墨色(及びアクセントカラーのオレンジ)が京阪の車両における内装の標準配色となるでしょう。

吊革の色は、8000系=赤、3000系=青となっていたことを考えると妥当な「萌黄色」。
今後の新車も、車両の役割に応じた色の吊革が採用されそうです。


~バリアフリーと安全性の強化~

内装で最も特徴的なのが、バリアフリーと安全性の強化。具体的には以下の通り。

・扉端及び下部に橙色の塗装
・座席横の仕切板の大型化
・スタンションポール(手すり)の増設 … 扉間ロングシート部に各2本
・網棚の高さの適正化 … 優先座席付近は50mm、その他の場所では20mmダウン


座席横の仕切板に関しては、残念ながらコスト削減の為共通部品が採用されそうです。
というのも、従来の京阪電車の座席仕切板にはなかった不自然な凹凸があり、
どうもJR東日本のE233系等ののいわゆる「走ルンです」シリーズのものに似ているのです。
完成度の高い内装だけあって、ここで手を抜かれるのは些か心外です。

スタンションポールに関して。
関西の電車は、スタンションポールが極力排除された車内が特徴的でした。
見た目の上で目障りだと敬遠されがちだった、という説もあります。
ですが、安全第一が鉄道の使命ですから、こればかりは致し方ありません。


~内装から分かる京阪のスタンス~

その他の(従来車からの)変更点としては、以下が挙げられます。

・扉上(LED旅客案内装置の上)にあった広告枠が液晶画面の左右に移動
・液晶画面装置が車両側壁から出っ張っている
・壁紙の色が肌色?
・妻面窓の復活 … 40年前の5000系以来

扉上の広告枠、LED旅客案内装置の搭載された車両ではかなり強引に設置しており、
なんと天井にあったのです。広告を見れば見るほど首が痛くなる状態。
これでは宣伝効果もあったものではありませんから、これは立派な改良と言えます。

ただ、液晶画面の出っ張りは頂けませんね。
「いや、出っ張っているのは普通だ」と思われる方が多数かとは思いますが…。

P1030687.JPG
▲京阪3000系の液晶画面。天井との境目が写っていますが、非常になめらかです。

これが、報道発表資料のイメージ図のように見栄えが少々低下してしまうのです。
まぁ、この点については3000系との差別化という解釈ともできそうですが。

いずれにせよ、広告用液晶画面が設置されていないのは評価できます。
(準備工事をしている可能性は否定できませんが…)

妻面窓について。
妻面窓と言われてもピンと来ない方もいらっしゃるでしょうが、
報道発表資料の3枚目、「荷棚の高さは従来車両より低く設定」のイメージ図をご覧ください。
貫通扉(墨色)の左右に窓があるのがお分かり頂けますね。これが「妻面窓」です。

京阪電車では、約30年前の6000系よりこれを廃止しているのですが、
なんと5000系以来久々に復活することになったのです。
しかも、全国の大都市鉄道が妻面窓廃止の方向に流れているのに逆行する形で。
これも軽快感を表現する「ウェッジシェイプ」の一環なのではないかと思います。
開放感は軽快感とつながっていきますからね。

従来の問題点を改良し、3000系のブランドを引き継ぎつつ、
コスト削減という命題との妥協点を見つけて通勤車独自のブランドを創る。
13000系はそうした重要な位置づけの車両だと思っています。


~メカ的に気になるところ~

下回りは基本的に10000系と同一の仕様になるものと思われます(車番は推測です)。

←淀屋橋・中之島・中書島                              出町柳・宇治→
13050(Mc) - 13550(T) - 13500(T) - 13000(Mc)

 
ただ、明らかに新造車にしてはおかしいところがあります。皆様はお気づきでしょうか?
ヒントは報道発表資料1枚目の外観イメージです。

実は、なんとシングルアームパンタグラフが採用されていないのです。
大津線では京津線800系、京阪線でも3000系から採用が始まったにも関わらず、です。

P1030831.JPG
▲バラバラな架線の高さに対応する為、800系で初めて採用されました。@浜大津

可能性としては1つしかありません。廃車発生品の再利用です。
そしてこれを現実視できるものにするのが、10000系の存在です。

P1040401.JPG
▲2002年登場・2006年増備にしてシングルアームパンタが不採用の10000系。@星ヶ丘

この車両、2002年登場分に関しては大規模なリユースが実践されています。Wiki曰く、

1900系のHB1500B形コンプレッサーや2600系のPT-4805A-Mパンタグラフ、
はては汎用品のヒューズ箱、棒連結器からタイフォンに至るまで
廃車発生品や予備パーツの見直しによる発生品を流用してコストダウンを図った
とのことですから、この13000系についてもここまでではなくとも可能性は否定できません。
廃車発生品も、今年大量に廃車となった2200系・2600系のものがあると思われます。


~宇治線での運用~

この13000系、宇治線で順次営業運転を開始する予定とのことで、
2600系4連5編成を置換すると報道発表資料では示されています。
これにより2600系4連は(通常編成としては)、新塗装を含めて全廃となります。

簡単に言えば、宇治線の車両が全て13000系に統一されるということです。
宇治線は旧型車両の楽園、というのはもはや過去の話になるのですね…。

気になるのは宇治線のワンマン化についてですが、
報道発表資料に一切言及がなく、見通しの悪いホームが宇治線には多数存在し、
運転士1人では保安上問題がある(と思われる)ことから、
引き続きツーマン運転が行われるという説が有力です。

ただ、数十年規模では対応機器の設置・ワンマン化も十分あり得ると思います。

~総括~

総合的な評価としては、
「予想を遥かに凌ぐクオリティーの車両が来たな、流石京阪!」という印象です。

はっきり言って、
10000系以下の品質の内装で、外装はアルミ剥き出しな車両が発表されても、
現在の京阪の収支状況から勘案すると致し方ないとも思っていたので…。

新車については株主関係の資料で「平成23・24年度に導入」という話がありましたが、
まさかこれほど早く発表が来るとは予想もしていませんでした。
ある京阪ファンの「13000系か…」というつぶやきを見て驚いたものです。

そして、置き換え対象が宇治線というのはごもっともなのですが、
寝屋川車庫で「8連の車両を7連にして…」というような張り紙があったのが話題となり、
すっかり「7連か8連の新車導入」と思ってしまい、これまた驚きでした。

形式番号も非常に驚きました。
1000~10000が現状では全て埋まっているとはいえ、11000と12000を飛ばした付番。
きっと「3000系の血を引き継ぐ」という意味合いも込められているんでしょうね。

ただ、「予想を遥かに凌ぐクオリティー」とはいえ、
3000系と比べてしまうと些かクオリティーの落ちている箇所があり、残念な部分も。
まぁ、そこはブランド車との差別化と割り切るのが正しいでしょうね。

いずれにせよ、実車の登場していない現状ではまだまだ分からない面があります
特に、デザイン面については実車を見ないと本当に分かりません。
(3000系のプレスリリース図と実車の差は本当に酷いものでした…)

長くなってしまいましたが、今日はこの辺で。
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